クロックタワー2の扉を開けたら崖のとこ
ホラーゲームの金字塔クロックタワー。
その続編クロックタワー2。
この作品は馬鹿でかいハサミを持ち歩き主人公を追い回すシザーマンから逃げるゲーム。
そして逃れる為の回避ポイントも多く存在していて、その一つが扉を開けたら崖という難所。
まず一作目のざっくりとした粗筋が
主人公ジェニファーを含めた4人の孤児院育ちの少女達。
山奥に佇む古びた屋敷バロウズ邸の主人バロウズに引き取られることになった彼女達は
教師メアリーと共に屋敷へ赴くが、そこへ巨大なハサミを持つシザーマンの魔の手が忍び寄るのであった。
ってな感じで基本逃げ回るスリラー的なホラーゲーム。
で、その1年後を舞台とした続編クロックタワー2
シザーマンと黒幕であるメアリー先生を倒し無事バロウズ邸から生き延びたジェニファー。
1年後、世間を震撼させたこのクロックタワー事件で
一躍有名となった彼女のもとに倒したはずのシザーマンが現れ…!?
大体こんな感じで、ジェニファーと彼女の保護者で三十路の犯罪心理学者の女性ヘレンの両者を操作しシザーマンから逃げつつ彼のルーツ探ったり謎を解いたりしながらゲームを進める。
一作目でのジェニファー。井川遥みたいな感じです。
井川遥と仲間達。
どの子が生き残るかはプレイヤー次第だけど2でこの子らは出てこないんで全滅した模様。
二作目のジェニファー。1年で井川遥から平野ノラになってしまいました。
しかも一作目はリアル目なドット絵だけど二作目ではフルポリゴンという時代の進化も見る事が出来る感慨深い作品。
2作目中盤でジェニファー、ヘレンその他諸々の面々はシザーマンのルーツであるバロウズ城に辿り着く。
問題の回避ポイントのあるバロウズ城。
回避ポイントといえば、前作ではベッドの下や納屋に隠れたりとか殺虫剤ぶん投げたり本棚倒して撃退とかあったけどクロックタワー2も負けてない。
まず今作の回避ポイントは無限回避できる場所と1度きりしか使えない場所がある。
シザーマンも経験から学ぶ男。例えばド定番のクローゼット。
1度は中に隠れてやり過ごす事が出来るけど、2度目に同じ場所に隠れるとクローゼットの上から鋏ブッ刺してきてヤツは小躍りする。
だけど問題の「扉を開けたら崖」の回避ポイントは無限回避できる場所。
場所はバロウズ城1階、吹き抜けの広間の左下の扉に入りずっとまっすぐ左へ進んだ先。
シザーマンから追われ、扉を開けたら断崖絶壁。
回避ボタン連打でジェニファー(若しくはヘレン)はドアノブに掴まり難を逃れるが追ってきたシザーマンは勢い余って崖から落ちて海に流される。
波に飲まれたシザーマンはその後も城に戻っては流されの無間地獄を味わう。
落としておいてなんだけど、いや待て何だよこの場所は?と疑問しかない。
そりゃ1度目は「何この場所…あっ回避ボタン回避ボタン!…え!?」とシザーマンが池ポチャするところを見て驚きもしたけど、まあ逃げきれてよかったと安堵の気持ちでいっぱいだったよ。
2度目は近くに回避ポイントが無いと思い、追い詰められた結果一か八かでまたこの場所にいや流石に無理でしょと思いながら飛び込んだ。
早めの回避ボタン連打でドアノブに掴まり0.5秒程してシザーマンがやってきて、落ちる。
「いや、何で?」
山田勝己が1stで敗退するのを見たのと同じ気持ち。バロウズ城なんかいわば緑山スタジオなわけですよ?自分のホームみたいなもんでしょ?
2度目のクローゼットは見破ったくせになぜこれは分からんのだ?
釈然としないまま、3度目。
3度目の正直というか仏の顔も三度までというか、もう彼と出会った瞬間迷わずにこの場所を目指した。
彼と私が対峙した場所から例の扉は結構距離があるのでお互いの体力を心配しながらも彼…ついて来てくれてるかな…と背後を気にしてあの場所へ向かった。
結果としては、ついてくるどころか主人公を追い越して海に飛び込んでたよね。
で、また何食わぬ顔でお城の中で追いかけっこを繰り広げる。
あっシザーマンだ…扉を開けたら崖のとこにいかないと…ってパブロフの犬状態。
まぁシザーマンには悪いなと思ったけどねでもね、彼も何度でも何度でも立ち上がってくるんでね、その姿まるでロッキーバルボア。
何度殴られようとも引退してレストラン経営しようとも再びリングに舞い戻る漢、そんな気概を今作のシザーマンから感じた。
バロウズ城1階西のあの場所はヤツと私のリング。
しかしゲームの終盤でシザーマンの正体が分かった瞬間ハンパじゃない罪悪感が生まれる。シザーマンの正体は10歳の子供だった。
エドワードっていうジェニファーと一緒にバロウズ邸から救出された少年。
足のとこに切り抜き漏れがあるエドワード少年。
ジェニファーと一緒に救出されたってとこでまあ怪しさプンプンだけど実はこのエドワード少年の正体は前作のシザーマンであるボビィ・バロウズの双子の兄ダン・バロウズ。
そりゃ前作も9歳の少年から逃げる話でしたけど回避のエグみが1年でマシマシになってる上に、ご家族もジェニファーに殺されたようなものですから心中お察ししますわな。
しかも最後ジェニファーが「ンハイシュ」っつー気の抜けた呪文唱えてエドワードことダン・バロウズはエイリアン4みたく亜空間に吸い込まれて消えてしまう。
崖から何回も落としてごめんねって謝る隙さえなかった。
皆さん、誰かに言いたい事を言えずそのまま疎遠になってしまったって経験…ありますか?
なんか意地張っちゃってそのあともっと言い出しにくくなっちゃうんですよね。
でも、今なら言えるなって時に素直に、正直な言葉で伝えるって大事だと思うんです。
そんな事をこの扉を開けたら崖のとこで学びました。